天照と素戔嗚の誓約(うけい) で のぼる階段



お母さんに会いたいだけなのに。国を奪うつもりなんてないよ!
疑う姉を説得するのは本当の闘いだ。
それに比べれば女神の三柱を生み出すことくらい容易いってもんだ。

 

誓約(うけい)   壮絶なる高天原の兄弟喧嘩

 弟の言うことなんか信用できない!神のレベルでもこの問題はタイヘンなんですね。
 神話でも直接対決をしていたわけではないのが救いどころですが、血を流さないゲームで決着を付けたらいいんじゃない?ってことで  神技を競う?誓約(うけい)のゲーム、エアウッケーを作ってみました。
はい、ダジャレです、エアホッケーです。二人仲良く対戦プレイをしてみてください!
※一人でCPU相手に遊ぶなら1Playerを、二人で対戦するなら2Playerをタッチ。操作はカーソルキーとWASZキーで行います。

エアウッケイ

Scratch(スクラッチ)で作ったエアホッケーのゲームです、楽しく安全にバトってみてください! 効果音はScratchのものを使用、キャラクターや背景画像などはオリジナルです。

 

誓約(うけい)とは?  占いの一種です

 神話の中では何かあると占いで決めることがしばしば起こります。天照大神(あまてらすおおみかみ)に疑いをかけられた素戔嗚尊(すさのおのみこと)は、身の潔白を証明するために誓約(うけい)をします。

how to play

誓約(うけい)のルール なかなか派手です


①お互いの持ち物を交換する
②素戔嗚尊は十拳剣を渡す
③天照大神は八尺瓊勾玉を渡す
④受け取った神器を噛み砕き、プーっと吐き出す
⑤出て来た神様で占う

 スサノオ(素戔嗚尊)は伊弉諾神(いざなぎのみこと)が黄泉の国から帰ってきたときに筑紫の日向の橘の小門の粟岐原(つくしのひむかのたちばなのおどのあわぎはら)で禊を行ったときに伊弉諾の鼻から生まれた神様です。ちなみに左目からは天照大神が、右目からは月読命(つくよみのみこと)が生まれました。この超有名な3柱の神を三貴子というので押さえておきましょう。

 スサノオはイザナギから海を治めよと命じられますが、「母に会いたい」と泣き喚いてばかり。ついに天上界から追放されます。その前に一言、姉のアマテラスにお別れを言いに高天原へ行きましたが、高天原を奪いに来たと思い身構えたアマテラス。そんなつもりはないと告げるが疑われたまま。そこで身の潔白を証明するために誓約(うけい)を提案するスサノオ。

 決められた結果が出るかどうかで占う誓約のその方法は、お互いの持ち物を交換し、噛み砕いて吐き出し、生まれた子供で占うというある意味命がけの占い。スサノオは十拳剣(とつかのつるぎ)を差し出し、アマテラスは八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を差し出します。お互いそれを口に含み、噛み砕き、ぷ~っと吐き出してみると・・・?

 十拳剣(とつかのつるぎ)とは、単に「拳十個ぶんはある長い剣」という解釈が正しいようで、特に銘が付いているわけでもない単なる愛刀って解釈でいいハズです。またアマテラスの八尺瓊勾玉も、正しくは八坂瓊之五百箇御統(やさかにのいほつみすまる)とよばれる「勾玉がたくさんついたネックレス」というお気に入りのアクセサリーって解釈でいいハズです。じゃないと玉祖命も三種の神器もおかしなことになりますからね。固有名詞っぽい汎用名詞のミスリードに気を付けてニュートラルに見るのが、古代史を正しく楽しく味わう方法だと思いますよ。

 

誓約(うけい)の全体像  神話だし天上界の話だけど、宮崎の話?

 誓約(うけい)の概要を把握しておこう。いつどこで誰が何をどうしたのか?

誓約の概要 イベント発生条件的な


 5W1Hで分析
どこ?:高天原、安の河を挟んで
いつ?:伊耶那岐神の禊の後、岩戸隠れの前
だれ?:天照大神、素戔嗚尊
なぜ?:追放した素戔嗚が襲来したと思った
何を?:素戔嗚の潔白を証明する誓約
どのように?:互いの持ち物から神を生んで占う(前項参照)

 アマテラスとスサノオの誓約(うけい)は、イザナギの禊で三貴子が生まれた後~岩戸隠れまでの間で、イザナギに海を統治せよと告げられた後ですね。場所は、安の河を挟んで対峙したとのことです。安の河、天安河原のある岩戸川のことなんでしょうか?そう解釈することはできますね、その方がロマンがあります。天岩戸神社と天安河原については旅行記でも紹介してます、末尾のリンクからどうぞ。

 キッカケとしては前項でも触れましたが、追放されたスサノオが最後の別れを言いに姉の元を訪ねるが、国を奪いに来たとアマテラスに疑われたので誓約(うけい)により潔白を証明しようとして始めました。母に会いたいと泣き喚いたスサノオを追放する、追放先は根の国らしいですね、イザナミがいるところ。高天原側ではなく国津神側として大穴牟遅神を大国主神にする根本がここにありそうですね。

 スサノオは十拳剣を差し出し、アマテラスは勾玉を差し出す。噛み砕いて吐き出すと、神々が生まれてくるというのが誓約(うけい)のシステム。さきにアマテラスがプゥ~っと吐き出し、その後でスサノオがプゥ~っと吐き出すという順番。出て来た神々とは?

 

誓約(うけい)の結果  スサノオの十拳剣から宗像三女神

宗像三女神登場、神々のアイドル、市杵島姫命様降臨!生み出す女神も派手なスサノオ

アマテラスが吐き出したのは 十拳剣より


 宗像三女神の御生
・多紀理毘売命(たぎりびめ)
・市杵島姫命(いちきしまひめ)
・多岐都比売命(たきつひめ)

 スサノオの十拳剣を受け取ったアマテラスは、これを三つに折って噛み砕きます。プゥ~っと吐き出すと、その息の中から三柱の女神があらわれました。宗像三女神と呼ばれる市杵島姫命(いちきしまひめ)、多紀理毘売命(たぎりびめ)、多岐都比売命(たきつひめ)です、海を守るお姫様たち。

 多紀理毘売命(タギリビメ)/ 田心姫神(たごりひめ)
世界遺産の「宗像大社・沖津宮(おきつぐう:沖ノ島))」や「日光二荒山神社」に祀られる女神。沖ノ島は神職しか渡島の許されない聖域です。全裸で禊の後に、見たことを言ってはいけないという厳格な掟が残る島。
大国主命の妻となり、阿遅鉏高日子根神などを産んだこの女神は、海上安全や交通安全のほか、縁結びのご利益でも有名。仏教では「弁財天」と同一視されることもあります。

 市寸島比売命(イチキシマヒメ)/ 市杵島姫神
後に仏教の「弁財天(芸能・財運の神)」と完全に習合した三女神の中で最も美しい女神。宗像大社の辺津宮(へつぐう:本土)の他、世界遺産の「厳島神社」や「江島神社」などに祀られる。水上交通の安全、商売繁盛、芸能上達の神様。 神仏習合の歴史を語る上で欠かせない、超大人気ナンバーワンの女神様!

 多岐都比売命(タキツヒメ)/ 湍津姫神(タギツヒメ)
宗像大社の中津宮(なかつぐう:大島)に祀られる、荒れ狂う海流の女神。「大島」は七夕伝説の地でもあり、海上安全だけでなく恋愛成就のご利益も厚い。実は織姫と同一視されており、中津宮の境内には天の川も牽牛神社もあって、年に一度七夕祭も行われています、古くは鎌倉時代から行われているようです。年に一度必ず会う牽牛神社の祭神が伊邪那岐命というのも興味深いです。

 

誓約(うけい)の結果  アマテラスの勾玉から五男神

 天皇の系譜をたどると行きつく、瓊瓊杵尊(ニニギ)の父である天忍穂耳命はここで誕生

スサノオが吐き出したのは 勾玉より


 五男神の御生(みあれ)
・天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)
・天之菩卑能命(アメノホヒ)
・天津日子根命(アマツヒコネ)
・活津日子根命(イクツヒコネ)
・熊野久須毘命(クマノクスビ)

 アマテラスの勾玉を受け取ったスサノオは、これを噛み砕きプゥ~っと吐き出します。すると、五柱の男神があらわれました。その前すでにアマテラスが女神を生み出したことで高らかに勝利宣言をしてますから、テンションの高さが命名にも表れていますね。

 天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)/ 正勝吾勝勝速日天忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)
高木神の娘・万幡豊秋津師比売命を妻とし、ニニギ尊(天皇家の祖先)を産んだ。天孫降臨の主役に指名されたが「地上は物騒だから」と息子のニニギに譲ったエピソードを持つ。「英彦山神宮」等に祀られ、勝運・農業守護のご利益がある。正勝吾勝勝速日天忍穂耳命という勝ちにこだわりまくった古事記の正式名称は、誓約で自分の剣から女神が生まれたのを見て素戔嗚が勝利宣言した勢いで命名したんだとか。祭神でもある滋賀の太郎坊阿賀神社の本殿は一見の価値ありです。

 天之菩卑能命(アメノホヒ)/ 天穂日命
出雲の国譲りの交渉役(第1陣)として地上へ派遣されたが、大国主命が立派すぎてファンになり、3年間音信不通になったお茶目な神様。「出雲大社」の宮司家(出雲国造)の祖先とされる。出雲大社では本殿の西、新垣と瑞垣の間に二つ並んだ氏社に天穂日命と國造出雲臣宮向がそれぞれ祀られるほか、「能義神社」等に祀られ、縁結びや学業成就のご利益があります。

 天津日子根命(アマツヒコネ)
凡河内氏や額田部氏など、多くの古代豪族の祖先となった神様。「多度大社(三重県)」に祀られ、雨乞いや日の光を司る「気象の神」「産業の神」として信仰される。
仏教では「一目連(天目一箇神とも習合)」という龍神や風の神様と結びつくことが多い。

 活津日子根命(イクツヒコネ)
記紀では誕生の瞬間以外に目立った単独エピソードがないミステリアスな神様。しかし「生命力が活発な男の子」という意味の名を持ち、「活津彦根神社」などに祀られ、無病息災・延命長寿のご利益がある。
謎が多いからこそ、古代の隠された豪族の歴史を妄想する楽しさがある神様!

 熊野久須毘命(クマノクスビ)
名前の「クスビ」は「奇奇(くすび)=神秘的な霊力」を表す。「熊野那智大社」や出雲の「熊野大社」に祀られ、厄除けや諸願成就のご利益がある。熊野大権現(阿弥陀如来など)の信仰の源流とも言われる。
スサノオの聖地「熊野」の名を背負って生まれた、五男神のラストを飾る霊力あふれる神様!

 

総括  神話の曲がり角、最重要伏線ポイントの予感

調査

 この記事を書くに当たり、サクッと備忘録的に頭の中から引っ張り出して書こうかと思ったら、思いのほか認識が曖昧で不十分だったことに気づかされ、結構調べ直しました。ちなみに宗像三女神は素戔嗚のタネに天照が水をあげて発芽したようなイメージで素戔嗚の子供という扱いって考えれば良さそうです。同様に五男神は天照のタネを素戔嗚が発芽させたってことで天照の子供となりますね。

 故に勾玉から生まれた五男神の長男、天忍穂耳命→瓊瓊杵尊→鵜葺草葺不合命→神倭伊波礼琵古命=神武天皇という天皇の祖先は天照大神だよと言えるわけですね。逆だったらスサノオが天皇の祖先になってしまいますが、それはそれで面白いかも?そうすると意外と符合するところがあったりするもの歴史の面白さですよね。

 神様は「成る」もので、完全体で現れるんですよね。『誕生』だと赤子のイメージがありますからしっくりこないですし、『降臨』はまた意味が違いますから。『御生(みあれ)』って言葉を使うのが業界標準みたいですね。まぁそもそも、神様はやはり『成る』ものなんですよ、功績のある人間が神格化され神として認められるのが一般的です。そう考えると、誓約(うけい)っていったい何をしたのでしょうか?互いのアイテムを使って人材募集をかけて集まった結果が…、なんて妄想するのも古代史の楽しみ方の一つかも。

 今回この記事の執筆には、2023年に天岩戸神社のお土産屋で買った古事記すごろく(ヒムカ出版)がとても参考になりました。いまだに家族みんなで遊んでいます。また、参詣前に泊まったホテルでもらった出雲大社の参詣案内の小冊子も見返しました、天穂日命の資料として。これまでに行った天安河原、天岩戸神社、幣立神宮、出雲大社、太郎坊阿賀神社、江の島神社、八百富神社、などで撮ってきた由緒書きなども見返してみました。現地に行って感じてくると、神話も案外身近なものに感じられますね。

 ちなみに岐阜の各務原市にある市杵島神社もその名の通り市杵島姫命との関わりが強いハズなので、2024年に行ったときに撮った由緒書きの写真を改めて読み返してみました、文が堅くて難しくてスルーしてたんですが。なんと浦島太郎伝説に関することがしれっと書かれているではありませんか。これは…、深堀して調べてみて、また別の記事でまとめてみたいと思います。




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 一般社団法人ピンタニーニャ・プログラミング学習協会


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