令和7年度 小学校プログラミング教育 で のぼる階段



 2025年、令和7年度に実施した小学校でのプログラミング教育について。独自開発教材を使い、分かりにくい教科書とサンプルでは到底届かない楽しさと学びを届け、少なくないヒラメキ顔と多くのキラキラした笑顔を貰ってきました。
 2018年から地域の子供にプログラミングを教えている指導経験値の高さに加え20年のガチエンジニア知見のある、ゲーム・小説・古代史好きの協会代表である私が『頭を使うことって楽しい』と気づく珠玉の時間を提供してきました。
 今年はオリジナルプログラムをHPにアップしたのでネット経由で全員が各自のPCで遊べる(=学べる)ようにしておきました。

 

もくじ   各学年の詳細と総括

 

小学1年生プログラミング授業内容  向きと歩数は順序のプログラミング

 『思い通りに動かす』方法を当協会オリジナル『ドッチのナンポ』『スミよけ人魚』『いるのはそこだ!』のプログラムを使って指導。

how to play

小学1年生向け 向きと歩数


 やって遊んでだとこを理論で分析
①相手の立場で指示を出してよける『スミよけ人魚』
②相手の立場で指示を出して進める『ドッチのナンボ』
③指示された基準から相対位置で見つける『いるのはそこだ!』

★スミよけ人魚とドッチのナンポは学校図書の上位互換、いるのはそこだ!は啓林館の上位?互換。追加要素と楽しさが違います。

 ▼▼▼ 詳しい授業内容は協会のブログを参照ください。▼▼▼

 小学1年生のプログラミング・教科書(令和7年~)に沿って 


 まず大前提として右と左が分かってないと話になりません、これは事前に叩き込んでおきましょう。
 自分から見ての右が向かい合った相手の左になること、頭で理解できていても慣れてないと難しいです。そこで『スミよけ人魚』のプログラムが活躍します。飛んでくるスミに当たらないように、人魚によける方法を指示するゲームです。数をこなせば頭以外でも体得できます。最初は体を動かしながら相手に合わせて確かめればいい。やっていくうちに体を動かさなくても出来るようになります。
なお、このプログラムはViscuitで作ってあります。ネット経由で各自のPCで使えるのがありがたい。

 相手の立場で指示することの意味合いが理解できたところで、相手に動きの指示を出してゴールに導く練習をしてみます。そこで活躍するのが『ドッチのナンポ』のプログラムです。向きと進む歩数を指示して、ゴールに辿り着ければクリア。ステージもたくさん用意してあります。これはScratchで作ってあるので、マネして作ってみることでも理解が深まりますね。

 学校図書のサンプルプログラムは物足りないのと、目的や達成感が用意されていないのが惜しいです。『覚えたことを使って上手くいった、嬉しい!』という記憶の良質なフックを生徒に与えたいんですよ、私は。作りたいなと思ってくれたら一入です。

 また、啓林館の教科書では位置の指示が課題だったような記憶があるので、それも作ってみたのが『いるのはそこだ』です。高天原でいたずら者の弟(スサノオ)を追う姉(アマテラス)を手伝うというストーリーで、指示された扉に書いてあるキーを押すゲームです。PCを扱う上でよく使いそうなキーをキーボード配列に似せて配置しているので、数学的な能力に加えてキー操作力やタイピング力も鍛えられるプログラムにしてあります。これもScratchで作っているので、お兄ちゃんお姉ちゃんが作って弟妹が遊ぶ、なんて姿は理想的ですね!

 

小学2年生プログラミング授業内容  一筆書きのロジック

 『一筆書き』を当協会オリジナル『一筆書きコレクション2025』プログラムを使って指導。

小学2年生向け 一筆書きを解こう


 数をこなして感覚を磨こう
①一筆書きって何だろう
②2つの種類と4つのパターン
③実際に解いてみよう、例題は19個
④自分でも一筆書きを作ってみよう

★学校図書はサンプル2個なので個数は上位互換

 ▼▼▼ 詳しい授業内容は協会のブログを参照ください。▼▼▼

 小学2年生のプログラミング・教科書(令和7年~)に沿って 



 一筆書きは『閉じている』と『開いている』の2種類があります。閉じているタイプはどこから始めても解けますが、開いているタイプは開始と終わりの位置が決まっています。切りっぱなしの線なら間違いなくそこですが、交点が奇数本か偶数本かで判断できます。パターンは【閉じている/両端切りっぱなし/両端が交点/一端が切りっぱなしでもう一端が交点】の4つですね。

 プログラムで遊べる例題は以下の19種類です。
☆☆、家、☆☆☆、お店、吊り橋、星形8角形(8/3角形)、傘、ネコ、弓矢、クレーン、ウミガメ、蝶々、サカナ、ハコ、ダイヤのリング、ヨット、ショートケーキ、カメラ、お城
 また、リンク先のブログにはオリジナルの一筆書き問題を多数用意してあります。

 

小学3年生プログラミング授業内容  向きと歩数のパッケージの繰り返し

 『少ない指示で思い通りに動かす』方法を当協会オリジナル『スサノオの足跡』プログラムを使って指導。

小学3年生向け ループでまとめる


 素戔嗚の足跡を指示を出して辿ってみよう
①あらかじめ動きを決めておく
②同じ動きはパターン化して繰り返す
③ゴールを目指して歴史を辿ろう
④自分でもマップを作ってみよう

★学校図書は1ステージ且つループが無意味、こちらは5ステージ+マップエディタなので完全上位互換

 ▼▼▼ 詳しい授業内容は協会のブログを参照ください。▼▼▼

 小学3年生のプログラミング・教科書(令和7年~)に沿って 


 2024年の教科書改訂で追加された『向きと歩数にループを追加』した課題です、去年はViscuit(ビスケット)で作った動きの指示でゴールを目指すプログラムを使って指導しました。Viscuitでここまで作れるという魂心の力作の一つです、ループの仕掛けとか我ながら凄いと思います。が、2025年のViscuitリニューアルで消されてしまったので、Scratchで作り直しました。

 折角いろんなことができるScratchですから、日本神話をモチーフに素戔嗚の足跡を辿れるものにしてみました。歴史の謎を、進み方を指示して紐解いていく。算数の授業が歴史とパズルの遊び場に変身です、そもそも高度な数学は定理を使ったパズルゲームですからね。学びって面白いんだってことを体験・実感してほしい!

 似たような動きをパッケージにして繰り返し使う、これは保守面でも有利ですし、プログラミングにおけるサブルーチンやライブラリの考え方にも通じます。限られた指示数の中で、どうやりくりするか?これも低容量時代のプログラマには必須の能力でした。

 5ステージクリアすると天の叢雲の剣をゲットできます、ステキなご褒美。ここまでやると、『ボクならこんなステージを作るんだけどな』って欲求が出てきます。そこで『素戔嗚の足跡マップエディタ』の登場です。というか、私がステージを作る際にいろいろ試しながらできるように先にエディタの方を作ったんですよね。ステージ作りもプログラムと同じくらい手強かったです。

 

小学4年生プログラミング授業内容  重さ違いだけで見つける論理矛盾

 『天秤で違う重さを見つける』方法を当協会オリジナル『本物はどれだ?』プログラムを使って指導。

小学4年生向け 天秤ばかりで本物探し


 重さ違いを見つけるには?
①量らなくても分かることがある
②『それ以外』も立派な条件
③『本物はどれだ?』で実際に試してみよう

★学校図書は玉8個固定で3個までしか載せられないが、こちらは玉は2~14個で載せる上限なしの完全上位互換です。

 ▼▼▼ 詳しい授業内容は協会のブログを参照ください。▼▼▼

 小学4年生のプログラミング・教科書(令和7年~)に沿って 


 これは玩具が売られているくらい有名なパズルです。それにしても学校図書の教科書に載っている解き方はトリッキーすぎます、わざと難しくしているのでしょうか?しかも、重さの違いは分かっても、それが他の物に比べて重いのか軽いのかまでは分からない仕様です、ちょっとこれではもやもやが残りますね。

 そこで3年前にScratchで天秤ばかりのプログラムを作ってみました。教科書改訂前は3年生の課題でしたね、2025年以降は4年生の課題です。去年はノートPCを大量に持ち込んで実際に試してもらいました。今回は手直しを加えて、『本物の勾玉が普通の勾玉と混ざってしまった、天秤しかないけど探し出して』という八尺瓊勾玉を作った玉祖命を助けるというストーリーに仕立ててみました。

 「軽いかもしれない」「重いかもしれない」という【可能性】を羽マークや重りマークで目印を付けられるので、『軽いかもしれないものが下がった天秤の方にあるのはおかしい』などの論理矛盾を突いて候補から外していきます。少ない手数で確実に発見することを目指しますが、たまたま発見できたでもOK。本番でその方法を使うかい?って聞けば、その先を探り始めることでしょう。

 

小学5年生プログラミング授業内容  曲がると進むの繰り返しで正多角形

 『正多角形を描く』方法を当協会オリジナル『自動航行ロケット』プログラムを使って指導。

小学5年生向け 多角形自動航行


 自動航行ロケットはシンプルな仕組み
①実際にScratchで作ってみよう、簡単だよ
②数字を変えて試そう、トライ&エラーの実践
③『自動航行ロケット』で綺麗な軌跡模様探し

★学校図書でも許容範囲です。
こちらは正n/m角形(星形多角形)に対応や開始位置の自由選択、マイナスの値の利用可能でありカラフルな見た目なので上位互換ですね。

 ▼▼▼ 詳しい授業内容は協会のブログを参照ください。▼▼▼

 小学5年生のプログラミング・教科書(令和7年~)に沿って 


 正多角形はプログラミングできる、しかもループを使った良いお手本!というわけで、この課題だけは2024年の教科書改訂前後で変わらず5年生を対象としています。この課題はScratchを使って生徒たちに自分で組んでもらいました。本当は内角の和とか外角の和とかから計算で一つの角の回転角を出すとかしたいところですが、まぁそれよりはやってみた方が早いし、間違えることも大きなヒントです。

 まずは軽い解説を入れておき、『定義:進む』を作って[10歩動かす]を[10回繰り返す]としておきます。一回当たりの移動を別に作っておきます。ペンを使い、ペンを降ろしたら【[(3)回繰り返す]:[進む]→[左に(60 )度回す】→[ペンを上げる]と並べていきます。これで正三角形が…あれ?できませんね。

 間違えたときに起こる不具合を目の当たりにして、「そっか、内角が60度だから、回すのは外角の120度にしなきゃだめだ」って自分で気がつくから理解が深まり忘れにくくなります。外角の120度に打ち直して上手くいく、この成功体験が覚えたことを『有益な情報』として脳に大事に収納してくれます。

 今回作ったプログラムでも星形多角形が描けます。何周回ったかで割る外角を増やせばいいので、いろいろやってみて「あ、そういうことなんだ」って納得するのが理想的です。『自動航行ロケット』のプログラムはだいたい一緒で装飾を増やしたものですが、質問形式にしてあります。数字を変えてみていろいろ試しましょう、算数の実践です!

 

小学6年生プログラミング授業内容  ザ・ロジック代表ハノイの塔

 『ハノイの塔』の解き方を当協会オリジナル『ニーニャのケーキ』プログラムを使って指導。

小学6年生向け .feat ハノイの塔


 こんな時に役に立つかも?
①ハノイの塔のルールと仕組み
②一手ずつ考えて動かしてみる
③『ニーニャのケーキ』で試してみよう

★学校図書は動作手順をすべて決めてからの実行ですが、こちらは一手ずつ動かせる仕様です。難易度選択も段数とサラの数で選べるので上位互換です。

 ▼▼▼ 詳しい授業内容は協会のブログを参照ください。▼▼▼

 小学6年生のプログラミング・教科書(令和7年~)に沿って 


 ハノイの塔のルールをまずは押さえておき、とりあえず3段での解き方を実際に試してみましょう。ここで重要なのは、目的の位置がどこかです。大中小の3段でアからイに移すときは、イに小を置き、ウに中を置き、これにイの小を重ねて一段低い塔を作ります。目的のイの位置が空いたのでそこに大を置き、小をアに一旦どかしてから中をイに重ね、小をイに重ねる。言葉の説明だと意味不明ですね。

 なので、学校図書のサイトを使ってもダメではないですが、全部の手順を決めてからでないと確認ができないという鬼畜仕様のうえ4段までしかない、しかも無機質で寂しい。というわけで「もしかしたらこの知識が役に立つかもしれない」場面を想定したパズルゲームを作ってみました、それが『ニーニャのケーキ』です、これもScratchで作った作品です。

 『ニーニャのケーキ』はハノイの塔のような3~5段ケーキを潰さないように別のお皿に移すゲームです。指でドラッグして一つずつ動かせるので、動かしながら考えたりやり直したりができます。難易度調整も可能で、段数は3~5段、お皿の枚数も3枚か4枚か選べます。自分のレベルに合わせて『解ける』を繰り返していくうちに、パターンが見えてきて出来るようになってきます。動かしたい段数が奇数偶数かで移動先の方に置くか置かないかが決まる、みたいなパターンを使いこなせるようになるまで遊び倒そう!

 

総括  三十数年前の1行が今の私の礎

30年のカギ
作:nanobanana2画伯

 30年以上前のこと、"10 screen 2"が抜けてるよと教えてもらえた小学4年生の男子生徒がいた。MSXパソコンを持ってる人も僅か、ベーシックが分かる人はそのうちの一握り、作品保存の術もなく電源OFFで消える、そんな昭和後期。参考書は本体に付属の「創る」と書かれた冊子と学研の付録くらいしかなく、独学で文字を動かしたり音を鳴らしたりして遊んでいた少年。

 ある日少年は、宿題の日記に『今日はベーシックで円や四角を描いてみようとやってみたけどダメでした。』と書いた。たたまたま担任の教師がベーシックが分かる人だったので、「高解像度グラフィックモードに切り替えないと描けないよ」と赤ペンで、数行のサンプルプログラム共に書かれていた。それはスクリーンを切り替えるたった1行の命令に阻止されていた少年の、コンピューターグラフィックスへの扉が開かれた瞬間。あの1行はその貴重なカギだった。

 その少年はテスト勉強をクイズのプログラムにしてみたり、大学の材料力学研究室で梁強度計算プログラムのUI構築にC++Builderを使い独力で作り上げ、地元に戻りエンジン制御系エンジニアとして20年弱ソフトウェア開発もできるシステム屋として国内外のエンジンメーカーで活躍した後、地元の子供たちにプログラムを教える道に行きついた。

 母校で教わったたった1行のカギ。借りっぱなしだったこのカギを三十数年越しに返すチャンスが来た、面白いプログラムを引っ提げて。30年の利子分には足りたのだろうか?

 私の母校は廃校となりもうなくなってしまいましたが、恩返しが間に合ってよかった。目をキラキラさせながら自分で動かせたスプライトを見て『スゲーこれ!見て!!』ってはしゃぐ男子生徒、『こうすればいいんだ!』って発見に喜ぶ女子生徒。そんなキラキラは払いすぎた利子の還付分だと思ってありがたく受け取らせてもらいました。

 願わくば、私の背を踏み台にして皆それぞれの閉じていた扉が開くこと、そしてその先で思いっきり発見や創作を楽しんでもらえたらと思います。その中に、私のような『ちょうど求めていたカギ』を受け取れた子がいたのなら、研鑽を続けいずれまた別の誰かを救い導いてくれたら嬉しいな、そんな風に思います。
 学びは楽しいものです。そうでないのなら、楽しくすればいいんです。プログラミングは、私が思うそのための最良の方法です!




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 一般社団法人ピンタニーニャ・プログラミング学習協会


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